老人ホームコンシェルジュのコラム

介護度別入れる施設の選び方

この記事でわかること

  • 要支援から要介護5まで、状態に合った施設種類の全体像
  • 「自立・要支援」でも入居できる、自由度の高い住まいの特徴
  • 「要介護1〜2」の方が直面する、生活支援と介護のバランス
  • 「要介護3以上」で検討すべき、手厚い介護と特養の選択肢
  • 心身の状態が変化したとき、住み替えが必要になるケース

「親の要介護認定の結果が届いたけれど、この数字でどこの施設に入れるの?」

「要支援1だと、まだ老人ホームは早すぎるのかしら……」

そんな戸惑いの声をよく耳にします。実は、老人ホーム選びにおいて「介護度(要支援1〜2、要介護1〜5)」は、いわば「入場券」のようなもの。施設によって、受け入れ可能な介護度が法律やルールで決まっているからです。

でも、安心してくださいね。どのステージにいても、必ずその時にぴったりの「安心できる居場所」は存在します。今回は、介護度という物差しを使って、どの施設が選択肢に入るのかを分かりやすく整理してお伝えします。

「自立・要支援」の時期:自由と安心のバランスを重視

まだご自身で身の回りのことができ、身なりもきちんとしている。けれど、一人暮らしには少し不安が出てきた……。そんな「自立〜要支援」の段階の方は、「シニア向け分譲マンション」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」が主な選択肢になります。

この時期の施設選びのポイントは、「介護」よりも「生活の質」です。

「元気なのに老人ホームなんて」と、親御さん自身が拒否感を示されることも多いですが、最近のサ高住はホテルのように綺麗で、サークル活動が盛んな場所もたくさんあります。

「家事の負担を減らして、趣味を楽しめる安全な住まいに移る」という前向きな住み替えができるのが、この時期の強みです。なお、「介護付き有料老人ホーム」の中にも、自立の方から受け入れている「混合型」という施設があります。

「要介護1〜2」の時期:日常の「困った」が増えてきたら

歩行にふらつきが出たり、少しずつ物忘れが気になり始めたりする「要介護1〜2」。この段階は、在宅介護を続けるか、施設に移るかの大きな分岐点になります。

ここで検討したいのは、「住宅型有料老人ホーム」や「介護付き有料老人ホーム」です。

住宅型であれば、必要な分だけヘルパーさんに来てもらうことで、自立した生活感覚を残しつつサポートを受けられます。一方、認知症の症状が出始めている場合は、24時間スタッフが見守ってくれる介護付きの方が、ご家族の精神的な負担はぐっと軽くなるでしょう。

また、認知症の診断がある場合は「グループホーム」も選択肢に入ってきます。5人〜9人の少人数で家庭的な雰囲気の中、スタッフと一緒に家事などをしながら穏やかに過ごす場所です。湘南エリアにも、お庭でガーデニングを楽しめるような素敵なグループホームがいくつもありますよ。

「要介護3以上」の時期:手厚いケアと「終の棲家」を見据えて

お一人で立ち上がることが難しくなったり、排泄の全介助が必要になったりする「要介護3」以上になると、選ぶ基準は「医療・介護の充実度」へとシフトします。

ここで多くの方が希望されるのが、公的施設である「特別養護老人ホーム(特養)」です。入居条件が原則「要介護3以上」となっており、費用が抑えられる点が最大のメリットです。ただし、湘南などの人気エリアでは待機者が多く、すぐに入居できないケースも少なくありません。

そのため、民間施設である「介護付き有料老人ホーム」も併せて検討することをおすすめします。民間の強みは、手厚い人員配置や、最期までその場所で看取ってくれる「看取り体制」が整っている施設が多いこと。特養の順番を待ちながら、まずは民間のホームで安心して過ごすという選択をされるご家族も増えています。

介護度は「変わるもの」という視点を持つ

ここで皆さんにぜひ覚えておいていただきたいのは、「入居時の介護度がずっと続くわけではない」ということです。

入居した時は「要介護1」で元気だった親御さんも、数年後には「要介護4」になり、寝たきりに近い状態になるかもしれません。その時に、その施設で最期まで看てもらえるのか、それとも別の施設へ住み替えが必要になるのか。これは契約前に必ず確認しておくべき、とても大切なポイントです。

「うちはずっとここで面倒を見ますよ」と言ってくれる施設なのか、それとも「医療行為が必要になったら退去になります」というルールなのか。親御さんの未来の姿を想像しながら、先回りして確認しておくことが、後悔しない施設選びのコツなのです。

数字よりも「その人らしさ」を大切に

要介護度という数字は大切ですが、それが親御さんのすべてではありません。

「要介護4」であっても、おしゃべりが大好きで賑やかな場所が好きな方もいれば、「要支援2」でも、静かな環境で読書をしていたい方もいらっしゃいます。

施設の種類を絞り込むのは介護度という数字の役割ですが、最後の決め手は、親御さんの性格や「どんな毎日を過ごしてほしいか」という、あなたの想いです。

「今の介護度で、本当にあそこに入れるかしら?」と不安になったら、いつでも相談してくださいね。数字の裏側にある親御さんの個性まで大切に考えながら、最適な場所を一緒に探していきましょう。