老人ホームコンシェルジュのコラム

老人ホームの初期費用と月額費用、どう違う?入居一時金を払う前に、家族で確認したいこと

この記事でわかること

  • 入居一時金と月額費用の違い
  • パンフレットの月額表示に含まれない費用
  • 前払いプランと月払いプランの比べ方
  • 途中で退去したときの返還金
  • 年齢や健康状態、今後の住み替えも踏まえた選び方

こんにちは。湘南で介護・老人ホームのご相談をお受けしている、リプランニングの小山です。

「入居一時金1,000万円と書いてある施設もあれば、0円の施設もある。何が違うの?」
「月額20万円なら、毎月の支払いは本当に20万円で済むの?」

施設探しで、料金表につまずくご家族は少なくありません。
親御さんのお金を大切に使いたい。そして、ご自身のこれからの暮らしも守りたい。だからこそ、パンフレットの数字だけで決めず、入居から退去までに、いつ、何に、いくらかかるのかを見ていきましょう。

1.初期費用と月額費用の違い

初期費用は、入居時に支払うお金です。施設によって、家賃などを前払いする「入居一時金」が必要な場合もあれば、入居一時金0円のプランを選べる場合もあります。敷金などが別に必要なこともあります。

月額費用は、入居後、毎月支払うお金です。一般的には家賃相当額、管理費、食費などが中心ですが、介護や医療、日用品などの費用を加えた額で考える必要があります。

入居一時金は、施設の部屋を買う代金ではありません。家賃など、将来かかる費用の一部を先に支払う仕組みです。ただし、前払いの対象が何か、月額費用がいくら下がるかは施設とプランによって異なります。契約前に内訳を確認しましょう。

2.入居一時金は、誰でも同じ条件で払えるわけではありません

施設によっては、前払いプランに「80歳以上」などの対象年齢を設けています。また、年齢によって一時金の額や償却期間が変わる施設もあります。

ここで大切なのは、対象年齢に達しているから、一時金を払ったほうがよいとは限らないということです。料金表には、年齢による料金の違いや返還金の計算方法が示される場合があります。施設ごとの条件を確認してください。

3.月額表示のほかに、何がかかる?

パンフレットの「月額20万円」が、実際の毎月の支払総額とは限りません。次の費用が含まれているかを確認します。

確認する費用 例

  • 施設への基本的な支払い 家賃相当額、管理費、食費
  • 介護に関する支払い 介護保険サービスの自己負担、保険外の個別サービス
  • 医療に関する支払い 診察、薬、通院時の費用
  • 暮らしに関する支払い おむつ、理美容、日用品など

介護付き有料老人ホームでも、介護保険の自己負担や、契約内容に応じた別料金が生じます。住宅型有料老人ホームでは、利用する介護サービスによって自己負担額が変わります。「介護付きだから介護費用はすべて定額」「住宅型だから必ず高くなる」とは決めつけず、現在と介護度が上がった場合の両方で見積もりを取りましょう。

4.途中で退去したら、一時金は戻る?

入居一時金を払っても、途中で退去した場合に全額が戻らないとは限りません。施設が定める償却期間内であれば、契約に基づいて未償却分が返還されます。

一方、施設によっては、入居後の一定期間を過ぎると「初期償却分」が返還対象から外れます。これは一律に20~30%と決まっているものではありません。また、入居後3か月以内に契約が終了する場合には、前払金について法令上の返還ルールがあります。具体的な返還額は、入居期間と契約内容によって変わります。

契約前には、施設にこう尋ねてみてください。

「3か月後、1年後、3年後に退去した場合、それぞれ一時金はいくら返ってきますか?」

返還金の計算式だけでなく、具体的な金額で示してもらうと比較しやすくなります。

5.前払いと月払い、どちらが合う?

例えば、次の二つのプランを比べてみます。

前払いプラン 月払いプラン
入居一時金 500万円 0円
月額費用 20万円 28万円
10年間の支払額の単純計算 2,900万円 3,360万円

この例では、10年間の単純計算なら前払いプランのほうが460万円少なくなります。ただし、この比較には、途中退去時の返還金や両プランで共通してかかる追加費用を反映していません。実際に何年入居したときに支払総額が逆転するかは、返還条件を含めて計算する必要があります。

また、入居期間を一つに決めて考えるのは難しいものです。「1年後」「5年後」「10年後」と複数の時点で比べると、判断しやすくなります。

6.お金だけでなく、今後の暮らし方も考える

前払いプランを選ぶ際は、次の点も一緒に考えてみてください。

  • 健康状態や既往歴:今後、どのような医療・介護が必要になりそうか。
  • 施設で対応できる範囲:介護度が上がったり、医療的なケアが必要になったりしても住み続けられるか。
  • 住み替えの可能性:将来、特別養護老人ホーム(特養)などへの入所を検討する考えがあるか。
  • 手元に残すお金:一時金を払った後も、医療費や予期しない支出に備えられるか。
  • 本人の気持ち:実際に暮らしてみて、その施設を終の住まいにしたいと思えるか。
  • 施設によっては、まず月払いプランで入居し、生活に慣れてから前払いプランへ変更できる場合もあります。変更の可否に加え、変更時の一時金、月額費用、償却や返還の条件を入居前に確認しておくと安心です。

    料金表を見るときは、年齢だけで結論を出さず、親御さんの資産、健康状態、施設での暮らしやすさ、将来の住み替えの可能性を合わせて考えましょう。

    最後に

    親御さんの施設費用を細かく確かめることに、後ろめたさを感じる必要はありません。無理のない支払い方を選ぶことは、親御さんの暮らしと、ご家族自身の暮らしの両方を大切にすることです。
    見学時には、パンフレットの月額表示だけでなく、追加費用を含めた毎月の見積もり、介護度が上がった場合の費用、途中退去時の返還額を確認してみてください。料金表の読み方に迷ったら、リプランニングにご相談ください。一緒に条件を整理し、ご家族が納得できる選択を考えます。